第12話



「ねぇ、莉茉ちゃん?」




「はい?」




「今日の話しは秘密ね?」




人差し指を口に当て、片目を瞑る。











暁も知らない。





これは、私と頼さんだけの秘密のお話しだから。









きっと、莉茉ちゃんが知った事を伝えたなら、照れて困ったように、頼さんは仕方ないなと笑うだろう。










あの人も、“娘”には弱いから。




「勿論、お母さんとお父さんの大切な思い出なんですから。」




満面の笑みで莉茉ちゃんは頷く。




「ありがとう。」




「どういたしまして。」




2人、顔を見合わせて、くすくすと笑いあった。

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