第7話



「………、悲しかった。」




「え?」




「親が決めた婚約者でも、私を少しでも大切にして欲しいと何度も思ったわ。」




でも、無理で。







頼さんの遊びは止まなかった。





「っっ、」




蘇る、頼さんに寄り添う女達。








………私は、それを見ているだけ。








それが惨めで。





悔しかった。




「だから、私ね?」




思い出すだけで笑みが込み上げる。




「頼さんの頬を、おもいっきりひっぱたいてやったの。」





「えぇっ!?」




「ふふっ、あの時の頼さんの顔ったら、本当に酷かったのよ?」





私の暴挙に、呆気にとられたような表情を浮かべた頼さんは見物だった。

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