皆で、祠に行ってみよう!

「うーし、じゃあ皆 集まったね!じゃあ行こっか!」


"平成10年 8月8日(月) 夕方。ボク達は裏山に集まっていた"

"ウチの近くの裏山には、祠がある。そこの近くには大抵いつも祠オジイが居座ってて近付くのも妨害してくるけど、今日は用事があるとかで夕方まで出かけているらしいのだ"


"だから、今日は皆で肝試しだ!"


"とりあえず、祠に行ってみる。で、そこに空き缶を置いてくる。内容としては、それだけ。"

"祠オジイが帰ってくるまでに、ボクらは缶を置いて帰ってくる。実に単純なお遊びだ。仮にオバケが出なくてもオジイが帰って来たら怖いので、スリリングにはなるだろう"

"最後のグループはボクで、責任者として缶をゴミ袋に入れて帰ってくる。怒られない程度の時間だけど、念の為に懐中電灯を持参だ"

"学校ガッコーの皆もやってきたし、時間も気温も丁度いい頃なので、そろそろグループに分かれて出発だ!"


"なお、大体の組分けは「いいかんじ」のグループにしてある。吊橋効果ってやつだ。これはボクのアイデア!そこまで伝えてはないけど、発表したグループ分けに反対しなかったので、多分まあ分かってるでしょ。"

"ので当然、ボクも気になる相手と一緒だ。なんでも こうやって合法ゴーホーな範囲でやるのが一番だと思う!"


「じゃ、じゃあ行こっか……」

「う、うん……」


"最初の一組目が出発した。スタート地点は山の前にある鳥居だ"

"初々しくってニヤニヤしちゃう!"

"しかしボクは寺生まれでもオカルトに興味キョーミ無いから分からないけど、こんな何も無いところに鳥居があるのも不思議なトコだと思う"

"祠オジイはボクがオジイって言ってるだけで年齢トシもよく分かんないし、 フケ顔のオジさんなのか、マジでお爺さんなのかも分かんない"


"でもまあ偏屈なのか信心深いのか、パソコンもある現代でも未だに祠を管理してるってなら案外にエラいのかもしれない"

"まあでも近付くと怒鳴ってくるのはホントに嫌いだけどね!それ以外では良い人ってのは、大抵そこがダメな人なんだってバーちゃんが言ってた。ジーちゃんの酒癖ひっどいからね……"


「怖かったー……」

「うん、そうだね……」


「あ、戻って来たかな?じゃあ、そろそろ2組目の人スタートで!」


"帰ってきた二人はアツアツだ。こりゃ案外に成功したかもしれない"


"そう思っていたんだ"

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