第5話:優しいだの冷たいだのの巻。
「あと、私家族いないから・・・」
「ああ、そうかクローンってバイオテクノロジーから生まれるんだよね」
「夫婦の間に生まれる子供と違って・・・」
「さっき、子供の頃からって言ったけど、その記憶って誰かの記憶だんだろ?」
「そうだよ・・・でも平気・・・途中で両親亡くすよりは最初っからいない
ほうが悲しくないでしょ?」
「そんなこと聞いちゃったら僕が悲しくなっちゃうよ」
「ごめんね、イヤなこと思い出せちゃって」
「いいの・・・ワタルちゃん優しいね」
「優しいかそうかは分かんないけど、でもスモモちゃんのことが知れてよかった」
「だからね、私、好きになったワタルちゃんの役に立ちたいの」
「私も誰かの役に立てるんだって証明したいの」
「あ〜・・・嬉しいけどなにもしなくていい・・・母ちゃんの家事の手伝いでもしててくれたほうがありがたいかな」
「まあ派出所なんて道案内とか人探しとかそう言うの多いけど、危険なことも
たまにあるからね」
「スモモちゃんを危険には晒せないよ」
(スモモちゃんに何か頼んだらめちゃくちゃに事をかき回しそう)
「だから家にいて家事手伝いお願いできる?」
「家事?」
「私、そう言う分野不得意なの・・・体育系だから・・・」
「でもさ・・・そんなことでもしないと暇だよ?」
「毎日時間持て余すよ?」
「じゃ〜さっきの派出所に付いて行っちゃう?」
「ダメに決まってるだろ?」
「私、小学校の時の将来の夢は府警さんだったの、だからちょうどよくない?」
「あ、そうなんだスモモちゃんの星にも警察とかあるんだ」
「って、そんなことじゃなくて・・・とにかく余計なことはしなくていいから」
「つまんないの」
「そんなに、つまんないなら自分の星に帰る?彼氏を残して」
「・・・迷惑なんだ・・・」
「違うって、そう言う意味じゃなくてさ・・・もうつまんないなんて言う
からさ・・・」
「ワタルちゃん、なんか冷たい・・・」
「なに?優しいだの冷たいだの?」
僕が自分の星に帰る?なんて言ったもんだからスモモちゃんはスネてしまった。
これだから女の子は・・・。
そもそも彼女、この地球に彼氏を探しに来たんだろ、その願いは僕って男によって
叶ったんだから・・・もう他に目的も目標もないでしょ?
そしたら暇に決まってるだろ・・・新しい就職先だって決まるかどうか分かん
ないのに・・・。
「悪かった、ごめん・・・帰る?なんて心にもないこと言っちゃった」
「いいけど・・・」
せっかく我が家に来たんだから異星人とのコミュニケーション取りたいからね。
こんなチャンス2度とないかもしれないし・・・。
ってか、本音は彼女が欲しいんだ、僕は・・・異星人でもいいから・・・。
あんなエロい姿、毎日目の前で見てたら我慢できなくなるのは時間の問題だろ?
おっぱい触るって聞かれた時、触っとけばよかった。
渉はスモモに派出所には来ないように言ったが、ところが派出所の近所で
ある事件が勃発して、それでスモモが大いに役に立ってくれることになるんだな、
これが・・・。
つづく。
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