第2話
「限界だ・・・」
こっちの世界(異世界)に来てからかれこれ3ヶ月が経つ。コピペな生活にも辟易してきた。1番人を苦しめるのは退屈だ。なんて聞いたことがあるが、その通りだ。贅沢な悩みかもしれないが、平穏で安定的な毎日は刺激がなく、俺には淡白に感じてしまった。
「そろそろちょっと、遠出するか」
退屈だが面倒という感情もまた、俺をダメにしている。まったく腰が動かない。
(ほんのちょっとだけ、ちょっとだけだから)
そう、じぶんに言い聞かせて、散策することに決めた。
――――――――――――――――――――
5分程度歩いただろうか、一向に森は抜けないが、いつもの生活範囲を越える快挙を達成した。
「・・・疲れないな」
意外と、というよりかは、やっぱりといった感想だ。何をいっているかというと。俺の体力のことである。前世――つまり地球での俺はびっくりするほど体力がなかった。病気ではなのだが、病気一歩手前の虚弱体質。周りからみると、もやしだろうか。
まあ、それでも一人で生きていけるので問題なかったのだが、
虚弱体質に加齢、そして電車や自動車などの移動インフラへ頼った生き方により徒歩5分で生活するような生き方しかできない人間になっていた。そのはずだが、今はこの通り、疲れ知らずのボディだ。感覚的には10代に戻った感覚に近い。今なら階段の2段飛びも可能かもしれない。
「道・・・か」
先ほどの道からさらに5分程歩いた先に歩道、いや車道らしき跡を発見した。結構な車輪が通ったのだろうか、しっかりとした跡が残っている。森の中を貫くように道が一本。
「辿るか・・・?」
悩んで、誰かが通るか少し待ってみることにした。
――――――――――――――――――――
「来ない」
待てど暮らせど誰も来ない。
俺にしては大分待った方だ。感覚的に30分ぐらい待っただろうか。
時計がないため適当な体内時計だが、疲れるぐらいは待った。
「帰ろ」
具体的に何にか収穫を得たわけではないが、情報としてはありがたい。人がいる。馬車かどうかも分からないが車輪の跡があるので文明もありそうだ。
いつか近くの町にでも繰り出しても面白いかもな。そんなことを考えながら今日は早々に寝た。
異世界ニート ~今度転生したら本気出す~ @herudaii
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