第33話

「頭達と三鬼龍」


久々の龍善の姿は相変わらず

どこか孤独さとと危うさを持っていた

小学生の頃からサンタフェや

トラサルディを着ていた龍善に

アルコールで茶髪になる、

 ヤンキーはセッターか

 マイセンだなど語ったり、

 つまらないTVを龍善の

 家で見ていたら、苦情入れると

 TV番組の苦情センターに

 よく電話したものだ


だがどこか、不満が溜まっているような

腹から爆笑している姿を見た

記憶はあまりない

いつかいなくなるような

そんな寂しそうな顔もあった


 だが戻って来てくれた

 


 『7番目』


 相手は最後の四天王のショウジ


 龍善は走り出し、思いっ切り飛び

 相手の顔面へ飛び膝蹴りを入れた

 龍善の走るスピード+

 最高のタイミングで顎に入った

 “がキン“

 

 顎が外れたか

 崩れ落ちそうになる

 『おら、立てと』

 龍善が無理矢理

 ショウジを立たせた後

 頭を掴み鼻へ膝蹴りを入れ

 “パキッ"っと鼻を折り、

 そのまま歯を集中的に

 膝蹴りを繰り返し

 折れた歯が地面へ転がった頃

 次は右目に向かってパンチを

 何発も入れ、

 右肩を捻り上げ下に向け

 関節を逆に向け右肩を外した時

 "ぐあっ"っと苦しそうな声を上げ

 右腕をぶらりと垂らし

 ショウジはもう戦意がなく

 血が流れているだけだ


 その時

 また渋谷が止めに入った


 『ショウジの負けだ、

  終わりでいい』


龍善が

 『終わりでいいじゃねーだろ

  やめてくれだ』

渋谷はぐちゃぐちゃになった仲間を見て

 『もうやめてくれ』


 と言った


 仲間たちは

 『やっぱ龍善危ねーな

  やりすぎじゃねーか?

  こっちのやられた分

  向こうもキツくやったんだろ

  相変わらず危ないヤツだ』

 

 俺が

 『いい喧嘩するなー、

  真人の怪我考えたら普通だよな』

 

龍善は

 『これで今までのこっちが

 やられた分痛めつけただろう』


と話していると


 渋谷はまた病院に連れて

 行かせた


 仲間達は

 [おい、お前等殺されるぞ

 その前に降参しろよ

 バラバラにされんぞ

 こっちは各中学の頭と龍神だぞ]


頼もしさと共に、やっぱり仲間でも

幹部に向かっての畏怖すら感じる


 龍善がゆっくり飲み物を飲むと

 真人が

 『痛めつけたなー、

  お前が戻ってきて良かったよ』


と光ちん、龍善と圧倒的な

強さに、前川と真人の

プレッシャーは増したが

俺は真人の心配をしなかった

どちらかと言うと前川が心配だった

前川は身長190近くガタイもいい

ヤンキー名門の京浜浦学を

背負い、何も文句のない

肩書きだが、帝南の幹部や、

真人達へ立ち向かうような

気持ちの強さが

足りないと感じていた

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