第10話



今日はお互いバイトがあり、学校が終わってから桃李先輩を見ていない。


私はパン屋のバイトなので基本19時頃までで、20時前には家に着いている。


一方先輩はカラオケのバイトなので基本22:00までだ。


現在時刻20:15


桃李先輩はまだバイト中だなーと考えながらお風呂に入る。


お風呂を上がり21:30


あと30分で先輩のバイト終わるな~と考えながら明日の授業の予習を始める。


22:00  もうバイト終わったかなと考えながら予習を進める。


22:30  声が聴きたいな と思いながら予習を進める。


23:00  予習が終わり、携帯を見るが特に音沙汰なし。


「先輩、今なにしてます?」


送信して1分もたたない内に着信【桃李先輩】


「も、もしもし」


「ふぉうした?」シャカシャカ


「いや、特に用事はないんですけど、なんとなく


声が聴きたくなって。」


「ぁぁ、ほみごきしとろでんをお〇〇****た」シャカシャカシャカ


「え?何って言ってます?」


「、、、、ガラガラガラ、ジャーー、キュッ


歯磨きしたら電話しようと思ってた。」


「え、そうなんですか。なんかありました?」


「いや、用は別にないけど」



(歯磨き中でもすぐに電話くれるとこ、大好きです。)



それから他愛もない話をして


24:00  「ふぁぁ」


「もう寝るか。」


「あ、はい。電話ありがとうございました。


嬉しかったです。」


「ん。おやすみ、」


慈しむような声でおやすみを告げられ胸が高鳴る。


「はい。おやすみなさい。」


「、、、、、」


「、、、、、」


「、、、、ん?」


「、、、、え?切ってくださいよ。」


「、、、、、、」


あぁ、これは譲らないやつですね。


「おやすみなさい。」


と、この好きな気持ちが伝わりますようにと


出来る限り優しい声で伝え、電話を切った。





”桃李先輩は電話を切れない。”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る