第3話
現在、桃李先輩とお花見に来ています。
時刻17:20
お花見にしては遅い時間になった原因は
今、桃李先輩が持っている3色団子にある。
遡ること、AM11:00
約束の時間になり、家を出ると
電柱に寄りかかる先輩の姿。
いつも私が慌てなくてもいいように、
着いたことを連絡せずに待っていてくれる。
「お待たせしました!」
「ん。行こう」
自然と手をつなぎ、先輩を盗み見る。
白いTシャツにジーンズというなんてことない恰好のはずなのに
モデルのようなオーラを放っている。
盗み見るはずが、しっかり見てしまった私に気づいた先輩がこちらを見る。
「何買う?」
「え?うーん、団子?ですかね?」
「ん」
満足そうな顔をして、目的の公園途中にあるコンビニに入る。
そして、みたらし団子を見つけ、レジへ行こうとすると
繋いだ手が引かれ、
「?どうしました?」
「違う。それじゃない。」
「え?団子でしょ?」
抗議の声も聞く様子もなく手を引かれてコンビニを出る。
それからコンビニを回ること15店。
結局電車まで乗って、桃李先輩が満足できる団子を手に入れた。
そして現在である。
薄暗くなってきた公園には、花見の季節にも関わらず
ほとんど人がいない。
おかげで一番いい場所にあるベンチに座ることができた。
まあ、一番いい時間に来れたかも。
なんて思いながら、3色団子を嬉しそうに頬張る先輩を見つめ
満足する笑眞であった。
“桃李先輩は3色団子しか認めない。”
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