第24話
「あ、雪のお友達だ?ごめんね、アイツ帰っちゃったんだよ」
あの後、雪くんのクラスにまで来たはいいものの、どうにもできずに立ちすくんでいると頭上から声が降ってきた。
近づいてきた男の子は雪くんの友達だろうか。よく一緒にいるのを見かけたことがある。
こんな所で、なんて理性はある。それでも私は涙腺を制御することができなかった。堪えきれなかった嗚咽が口から漏れて、立ってすらいられなくなった。
彼は突然しゃがみ込んだ私を適当な教室まで連れて行ってくれた。
へたっぴ同盟のこと、写真のこと、私が雪くんを傷つけたこと。簡単に説明すると彼は、なるほど、と声を漏らした。
「ちょっと待ってね。……ハイ、アイツの住所」
「……え?」
「アイツ、そこそこ楽しそうだったからさ。それができんのは莉子ちゃんだけだよ」
「でも、私……」
「何があったか知らねぇから適当なことしか言えねぇけどさ。友人としては、まぁ、応援してやりたいじゃん?アイツのこと、頼むよ。莉子ちゃん」
彼は私の胸のうちすら見透かしたように笑ってそう言った。
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