第9話 帝国騎士ルージュ・フラム〜アオバラを求めて〜編③

【こっちだよ。ここで話をしよう】

「あ、クローバーだ。久しぶり」

 大きな帽子を被った女の子がクローバーに話しかける。

【帽子屋、君は相変わらずお茶をしているんだね】

「お茶会は楽しまないとね。クローバーのお友達も一緒にどうだい?」


 赤と白のバラが咲き誇り、大きなテーブルにはかわいいお菓子がぎゅうぎゅうに並べられている。

 ごくりとクロユリたちが喉を鳴らす。女の子に甘いものは必須。甘いものは正義、だ。


【みんな、食べたいみたいだね?腹が減ってはなんとやらだ。食べていくとしよう】

「そうこなくっちゃ。んじゃ、あたたかい紅茶を準備するとしよう。ストレートとレモンとミルク、どれがいいかな?」

「……わたしはミルク」

「あたしもミルクで」

「わたくしはストレートで」

「俺はレモンかな」

「クローバーは?」

【ワタシもストレートで】

「了解。ちょっと待っててね」


 上機嫌に帽子屋はお茶の準備をしにいった。


 ☆


「んー、変わったメンツになったね!」

「ママ、いっしょだね!」

「一緒でよかったわ、美桜。樹姫とははぐれてしまったみたいね。頼れる人といたらいいんだけど」


 ひまわり、グラジオラス、美桜が同じパーティーになっていた。


「ひまわりがいてくれてよかった。攻撃を私たちは出来ないから」

「ボクもグラジオラスが一緒で助かったよ。グラジオラスは賢いからね!美桜も頼りになるし」

「ひまわり、ホント?」

「ホントだよ。美桜もすごいもんね」

 ニコニコとひまわりと美桜が笑っている。

「それにしてもここはどこだろうね?」

「あー、たぶん“不思議の国のアリス”よ、ひまわり」

「不思議の国のアリス??」

「あのね、ふしぎのくにのアリスっていうのはねーー」

 美桜の話を聞いたひまわりは面白そうと笑う。

「じゃあ、白うさぎを探してみる?白うさぎならいろいろ知ってそうじゃない?」


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