廃物戦線、スクラップ&ガービッジ
えるん
第n話 ゴミの日
ドリーム・シティはいつだって夜だから就寝時間も営業時間もなく、いつでもいかがわしくどこでも犯罪がはびこる、夢の国であって夢の
きらびやかで胸元の丘陵を強調する服装は娼婦、容姿は一級品の人工物とみまがうほどであったから街にゆらめく改造娼婦どもの一匹と見えたが、追跡者の
ゆえにこそ奇妙であったのは女に追いつけないことで、消音機能のついた彼の
果ての果て、廃物集まるドリームシティの掃きだめ、廃物の中の廃物が積み上げられた行き止まり、逃走は終わり、女がどのような機能を有していようと無関係。
今までの逃走が嘘のように、ゴミにつまずいて転び、怯えと怒りと、
……再起動、記録再開、第一眼から三眼まで復帰、四眼は
かろうじて人型と呼べなくもないソイツの肩らしき部位に付着した液体が、
――
残った腕から爪を射出、女に向かって一直線に必殺が飛ぶ――遮られる、またしてもゴミの塊に。のみならず、ソイツから放たれた回転する鉄の刃が
ぽんと宙を舞いながら彼の機械仕掛けの第三眼は、
分析の曖昧なのは、解析眼である第三眼もすでに機能を停止しかかっているためでもあったし、頭部が、女と男児に背を向ける形で落下したためでもあったが、何にせよ、彼の頭脳も生命活動も機能停止へと急進行、最期に認識できたのは、唯一、自前であった耳がとらえた、二人のやりとりだった。
「名前なんかない。ぼくは、ただの
「いいじゃない、
廃物戦線、スクラップ&ガービッジ えるん @eln_novel_20240511
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