プロローグ②

◯◯視点


今日から高校生だ、中学ではろくに友達を作らなかった、別にわざと作らなかったわけではない。そりゃ仲良いともだちの1人や2人欲しかったがあまり外交的な性格ではないので、自分からともだちを作ろうとしなかった結果だ。


高校生デビューをすればいいのでは?と思う人もいるかもしれない。いざ実践しようと思い、メイクや髪型(基本制服だがもしもの時と思いファッション)やらなんやらを色々調べはしたが、いざ実際にやってみるとうまくいかず、座学だけではダメだと分かった。こう言う時に頼れる友達がいればいいのだが、そう上手くはいかない。


結局そうこうしているうちに入学式の日になってしまった。努力の結果も惜しく高校生デビューどころか、中学生の時と同じような格好のまま高校生になってしまうのか、と立て鏡に映った変わらない自分を見ながら、少し落胆していた。


母親にご飯を食べるようにと呼ばれたので、リビングに向かい朝食を終え、入学式に余裕を持って母親と家を出た。歩きなので何か大変なことが起きない限り遅刻などないのだが、歩きで30分程度もかかるので疲れて遅くなるかもなので、早めに家をでた。


体育館には思ったより人が入っており、少し後ろの席になってしまった。家を早めに出たのは正解だったようで予定より10分程遅れて到着した。まだ涼しいにも関わらず40分も歩けば汗もかくし少し疲れていた。


明日からは自転車でこようと思った。


汗を気にしている間に隣に1人の男の子が座った。髪は少し癖っ毛なのか先端が少し跳ねていた、身長は高いわけではななそうだが、細身のせいか少し高く見える、顔はものすごくイケメンではないが整っているほうだと思う。


自分が隣の男子をじっと見つめていた事に気づき、我に帰った。

中学校では女子ともまともに話せなかったのに高校生になったからなのか気持ちが浮ついてる自分に気づきとても恥ずかしくなった。


入学式が終わり、指定されたクラスに入るとドアとは対角線の位置に座っている先程の男の子を見つけた。


隣の席は運よく空いていて、そこに座ることにした。(運よくってなんだ?)と自分の気持ちに少し疑問を持ちつつ、高校生になったから気持ちが浮ついてるのだと頭の中で訂正しながら席についた。


彼はずっと窓から外を見ていたが、一瞬こちらを見ていた気がする。


まぁ、気のせいだろう。「流石に私自意識過剰過ぎないか」と思っていたところで、担任の先生が入ってきた。


第一印象は小柄でふわふわした可愛げのある先生だと思った。HRが始まったが、隣の男の子はまだ窓の外を見ていた。浮ついていた心を落ち着かせ、少しの期待と不安を胸に高校生活が始まろうとしていた。




−これは1人の男子と女子のリアルな恋愛模様を書いた物語だ。−

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