酒と悪

酒と悪

　金持ちには酒が必要だ。

なぜなら、時間間隔がゆっくりだからである。

金に困っていない人は、余裕がある。

財布の余裕は心の余裕。

何にも追われていない。暇を持て余している。

そんなぽっかり空いた心を、酒が癒してくれる。

　酔い飲み方をすれば、良い友人になる。

普段とは違う自分を見つけることもあるだろう。

しかし同時に慢心もある。

弛んだ心に、悪が入り込んでくる。

我々はそのとき、脚を踏ん張って、うんと堪えなければいけないのだ。

　異分子は、ひとつ入れば、どっと流入してくる。

止めなければ流されてしまう。

杭を一本、打ち込んで止めるべし。

酔いが覚める一撃で。

すると、我々は平穏な生活を取り戻す。

酒は飲んでも飲まれるな。