第4話 最後の科学者

ついに我々人類は目を人工的に増やせるようになった。

失明しても元通り、三つ目四つ目は思いのままだ。


我々研究チームは、1000人を三つ目にすることで実用性と安全性を示した。

おかげで今は一人一人が一生遊んで暮らせるような財産を持っている。


しかし、三つ目というのはいやはや気味が悪い。


我々は三つ目達を森の中に追いやってしまった。

それがいけなかった。


数年は安泰だった。

しかし20年後の2XXX年。

三つ目達の反乱が始まった。


三つ目達は国を作り、村人を増やし続けていた。


今の二つ目人は100億50万人、

三つ目人は1000万人。


数では圧倒しているが、三つ目人は森の中という逆境で生き抜き、

二つ目人の何倍の力を持っていた。

さらに、三つ目人は目をふやす技術で二つ目人を仲間にしてしまう。


16年間の紛争、死闘の末、残った二つ目人は我々研究チームの10人となった。


今、我々は腕を増やす実験のモルモットとして使われている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


やあ諸君。

私は二つ目の研究チーム最後の生き残り。


あの戦争の終わりから30年は経ったか。


今の私を見てくれ。


目は二つ。

耳は6個。

口は3個。

腕は9本。

足は7本。


今は唾液を硫酸にする実験をしているようだ。


これを読んでいる君に次ぐ。

目をふやす実験はするな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


イセイギアドレーヌ。


今は唾液が硫酸になってから15年後。

とうとう私も80歳だ。

やつらの実験のせいで死ねなセタユアン、脳をいじられて考えも纏まらない。


ドムは若返りの実験の最中だ。


今になると言語も変わってきて、マキエタハを伝えるのも大変だ。


君たち、ハテラスマーゼヴェクィア。

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