第4話 拘束

目が覚めた。


手足が動かない。


一体何があったのか。

思い出した。


金髪の女の子が

私の鏡を奪って割ったのだ。


割れた破片で、その子は

手首を切った。


「いやあぁぁあ!!!!」


すぐに看護師が来て私を押さえつけた。


金髪の女の子は笑っていた。


そうだ、私は暴れたんだ。


拘束されている。


なぜ私が。そんな感情が湧いてくる。

「はぁ」


ドアの隙間から金髪の女の子が

覗いている。


「ありがと」


そう言うと、ドアが締まり女の子は

居なくなった。


「だれか、だれかあ!」


大声で叫んだ。すると看護師がきた。


「もう拘束は、外れますからね」


ガチャ、ガチャと拘束が

外されていく。


「わ、私、何があったんですか」


「血を見て、暴れたんですよ」


「私の鏡を奪ったのはあの金髪の子

なんですよ?!どうして私が拘束されてるんですか」


「暴れたからです」


理不尽だ。


「手首を切ったあの子は、」


「もう大丈夫ですよ」


拘束が外れて、部屋戻った。


頭までふとんをかぶり

一人で泣いていた。


「どうしてこんなところに…」


涙が止まらなかった。

ここにいれた母親を許さない。


ここにきて初めての晩御飯の時間になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る