第3話 重たい扉

厳重な鍵をあけると

そこには初めてみる景色ばかりだった。


すごく痩せて点滴をしている子。

色目を使って私を見る女。

忙しなく病棟を早足であるく女。

喫煙所で一点を見つめながら煙草を吸う人。


なにもかもが初めてみる

景色だった。


まずナースステーションに

連れていかれた。

持ち物検査だ。

刃物になるものはないか、薬を持ち込んでないか

長い紐はないか。


スエットの紐や、パーカーの紐

全て取られた。


「これで、こうやっちゃう人いるからね」


なんとなくわかった。


ここが橘さんの部屋よと言われ

案内されたのは

4人部屋の部屋だった。


「ここは女性しかいない病棟だから」


荷物を持って、タンスに服をいれていると

後ろから声が聞こえた。


「今日から入った新人?」


金髪のハーフみたいな雰囲気の

女の人が話しかけてきた。

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