第2話 閉鎖病棟

親は私をこの閉鎖病棟にいれた。


世間体を気にしていた親は

地元から2時間離れたこの藤原病院へいれた。


採血、脳波、レントゲンを

済ませたあとカウンセリングが

始まった。


「まず、名前は?言える?」


「タチバナ カオリです。」


淡々と、質問は繰り返された。

いつから、 いじめが始まったのか。

自傷行為はいつから始めたのか。

ここにきた理由はわかっているのか。


そんなこと、どうでもよかった。


早く眠りたい。


質問に素っ気なく答えていると

カウンセリングの人が言った。


「ここは閉鎖病棟よ、外にはでられないの」


「電話は使えるんですか」


「毎週、水曜日の午後からなら」


まあ、電話をする相手もいないのだが。

父親だけが私の味方だった。

ここに入院することを反対していた。


そんなこともお構い無しに

母親はここに私をいれたんだ。

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