The bridal night 2


「ククリ、大丈夫だよ……」


 まるで自分に言い聞かせるみたいなアスランの声に、俺は思わず問い返していた。



「あのさ、アスランって……、こういう経験……、あったりするの?」




 俺の頬を撫でていたアスランの手が、止まる。




「もちろん、ないよ!」




 ――やっぱり!!!!





「でも、心配しないで、ちゃんと閨教育は受けてきてる!」


 唇を引き結ぶアスラン。



「それって、どういう……」



「ククリのために、俺も清い身体でいたかったから、実技はもちろん断ったけど……、

知識としては、全部頭に入ってるから!」



 どこか余裕がありそうなアスラン。



「そう、なんだ……」



 でも、それって結局のところ、俺もアスランも経験ゼロってことだろ?


 男女ならともかく、男同士でうまくいくのだろうか……。



 不安が表情に出ていたのか、アスランはくすっと笑うと、俺の頬にキスをした。




「ククリ、触って……、俺も今、すごく緊張してる」



 アスランは俺の手を取ると、自分の逞しい左胸にあてた。



「ほんとだ……、すごくドキドキしてる……」



 アスランも、俺と同じで、不安なんだ……。


 だって、俺たちはどちらも初恋同士で、こういうことも、もちろん初めてで……。


 ――だからきっと、どこか怖いのはアスランもきっと同じで……。




「アスラン、好きっ、大好きっ!」


 俺は思わず、アスランにしがみついていた。


「ククリ……?」




「俺……、俺がアスランの初めてになれて、すごくうれしいよ!」



 俺の言葉に、アスランはすぅっと息を吸い込んだ。



「ククリ……、俺、生きてて……、生まれてきて、ククリに出会えて、本当に良かった!」



 俺たちはしばらく、ベッドの上できつくきつく抱き合っていた。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ――俺はすっかり忘れていた。


 アスランはすべての面で万能…‥。


 一度見たり聞いたり、教わったりしたことは、勉強でも剣術でも、実戦などしなくても、すべて完璧にマスターしてしまうことができる、ということを……。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「ククリ、怖かったり、嫌だったりしたら、教えて……」


「うん……」


 アスランの唇が、俺の唇に触れる。



 ――大好きだよ、の気持ちが伝わる、特別なキス。



 アスランにされて、嫌なことなんて、あるはずないのに……。



 最初はついばむようなキスを繰り返していたが、アスランは俺の緊張が解けてきたのを見計らって、舌を差し入れてきた。



「んっ、はっ……」


 最初は慎重に、でもそのうち大胆に、俺はアスランの舌で咥内をかき回された。


「あっ……、ん」



 くちゅくちゅと中を探られ、舌を吸われると、思わず吐息が漏れた。




「ククリ、すごく…‥、綺麗だよ……」


 アスランの熱っぽいかすれ声。




 気づくと……、


 俺は着ていたシャツのボタンをすべて外されており、いつの間にか上半身はほぼ裸同然になっていた。





「……!!」



 ――アスラン、いつの間にこんな早業をっ!!!!








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



【こちらから先は自主規制(非公開)となります。ごめんなさい!

次回からは、さらなる番外編「アスランの物語」です】

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