第130話

「……オクラの断面は星型でかわいいけど。以外と彼女、さっぱりしてるよね。僕は好きだな。」

  

「さっぱり?そうか?あれは超がつくツンデレじゃん?」



女性を野菜に例えるのはどうかと思うが。そしてただ断面が星型だからと、オクラに例えられる星來。一弥も大概酷い男だった。


 

「へえ。デレるとこあんま知らないや。」


「めちゃめちゃデレるべ?後ろからね、ぎゅってしてきて背中に擦りついてね。」


「なにそれ。かわいすぎ。」


「え。知らないのお?あんなに身近な存在なのにぃ?」 


「…………」



一弥がテーブルの下でぐっと拳を握る。もうゲームの趣旨など関係なくなっているが、一弥が負けじと攻撃を図る。



「そんなかわいい子がいるくせに、他の野菜に浮気して知らないところで傷つけてるクズは、彼女が僕に心変わりするとは思わないの?」 

 

「心変わり?小さい頃から一緒に人生を共にしてきた存在が、そんな単純な関係だとでも思ってんの?」


「他の女とキスしている現場を、彼女が見ていたとしても?」


「……は?」


「二人の約束を、そんな簡単に破るような関係にしてるのはどこのどいつだよ。」 



何も知らないクズに、アミューズメントバーの帰りにタクシーの中から見た光景をつきつけてやる一弥。



朱朗は、星來以外とキスした覚えはないが、星來とセックスしているお前が何いっているんだと、鋭い視線で対抗する。

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