第105話
「あ、華井君!」
星來が振り返ってその名を呼べば、「はい!ここにいる誰よりも華井です!」と華井が食い気味の返事をした。
「実は『SELLY BEANS』のね、オフショットがあって」
「絵?!?お、おおおっふショットぉ?!」
「その、67冊も予約してくれたお礼になるか分からないんだけど、見ますか?」
「見ます!!閲覧回数爆上げさせます!」
スマホのフォトフォルダに保存されてるやつだから閲覧回数は関係ないんだけど。
星來はスマホを、七分丈の白いパンツのポケットから取り出すと、フォルダを開く。
そしてそのまま華井に向け、差し出した。
「…………は。スマホ、くれると?」
「え?ごめんなさい、スマホはあげられないんだけど。オフショットがフォルダに入ってるから、」
「いやあ。。星來様のスマホを僕の指紋で汚すんはちょっと……。」
「え?俺、星來ちゃんのオフショ見たい!」
華井が躊躇する中、亜泉が普通に星來からスマホを受け取る。そして画面をタップして、からのあっという間にガン見。
「星來ちゃんの浴衣すがた、かあいいねえ。」
亜泉が、マルチーズの赤ちゃんを愛でるかのような声で和やかに笑う。
すると他のメンバーも一斉に、スマホを手にする亜泉に群がりにいく。カクテルを手に、つまみと言わんばかりに。
アイドルホイホイと化した星來のオフショット。一弥はここぞとばかりに隣のエリアへと星來を連れ出した。
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