第103話

「ちょっとせーらちゃん!めっちゃ食われてるって!!」


「え?!嘘!こっちが私なの?!」


「だからそっちのオッサンがせーらだってば!」


「ええわたしそっちのイケメンがいい!!」


「ほらせーら!リロードリロード!!」



 

「………亜泉。」 

「あ、うそうそせーらちゃんっ」



巨大スクリーンを前にしたガンシューティングゲーム。迫りくるゾンビをショットガンで倒していくのだが、星來は初体験のアミューズメントを大満喫していた。



そして皆が女優になかなか近づけない中、亜泉は率先して手を引きゲームに誘うのだが。一弥が腕を組み、二人の後ろを監視兼監督する。



時として亜泉が星來にボディタッチをすれば口出しをし、逆に星來が触れても口出しをする。今しがた呼び捨てを注意したところだ。さすがの天然亜泉も、一弥の牽制が感じとれたようだった。



そして華井は、迫りくるゾンビよりも星來を真横でガン見していた。



 

「普段お高くとまってる女の無邪気な姿、一気にハート持ってかれる説」


「無邪気は無敵」


「無邪気は正義」 



他のメンバーである不二海ふじかい(23)、待葉まつば(22)、国義くによし(24)がカクテルを手に、星來様の無邪気な後ろ姿を見つめる。



「いいつまみだわ〜」



その三人の言葉に、一弥が振り返って睨みつける。



「うちの最年少、糞生意気だわ〜」

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