第97話

他のメンバーもいる中に、星來を入れるのは抵抗がある一弥。



しかし友達と夜遊びなんてしたことのない星來は、初めての体験に胸を踊らせた。


 

「わたし、行きたい!」

「うん!行こうよ!」



嬉しそうに微笑む星來に、満面の笑みで返すRainLADYのセンター亜泉。本当に何の下心もないから、一弥も亜泉の扱いが難しいのである。


 

「推しが……推しが行きたいいうとーと!」



華井が大興奮の中、他のメンバーも、友達の女優を紹介してもらえるチャンスかもしれないと、手を挙げて喜びたいところを、クールを装うため静かに目を輝かせるのであった。



一弥はじと目で睨みつつ、渋々承諾せざるを得なくなった。



星來のマネージャーはたまたまその日は営業回りで同行しておらず。RainLADYのマネージャーはすでに次の仕事があるため帰った後だった。

 


専用の白いバンには、RainLADYの専属運転手が乗っており、ちゃっかりと華井が運転手にチップを渡す。風音星來が乗り合わせている件については黙っておけよと。やはり朱朗と華井はどこか似ていた。




「星來、写真集出す話だけど、カメラマンは誰?どこのカメラマン?」

 

「須田ひかる(33)、フリーからミトエージェンシーにスカウトされクリエイティブディレクターとしても活躍しているアバンギャルドで扇情的世界観が得意な女性フォトグラファー。」


「なんで華井が答えてるの。」 


「風音星來の古参ファンですから。」

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