第32話
「……てか、青兄とそんな会ってるの」
「まあ、たまあに?月に2、6回?」
「おーん…(多くない?てか2と6に差ありすぎ)」
星來がちらりと朱朗を見やって、ふっと笑いかける。本当は月に1回会うか会わないかというところを、多く見積もった星來。でも見積もりすぎだった。
「俺もリカちゃんと会おっかな、2、6回くらい。」
「年に?」
「月に。」
「…埼京線で痴漢ごっこして捕まらないようにね?」
「ご心配ありあとー」
朱朗が椅子を背中で限界まで倒し、吹けない口笛をふく。ちょっと転びそうになって、すぐに椅子を定位置に戻した。
そんな朱朗に対して、星來は思った。
「(年に2、6回会ってるのですらやだわ。リカちゃんて将来
ちょっとどんな顔かは分からないけど。痴漢ごっこして捕まって、薬やってまた捕まりそうなリカちゃんに嫉妬した星來は、負けじと青司を当て馬にしにいく。
17歳女子は怖い生き物だった。
「私、前にストーカーまがいの手紙が立て続けに届いたことがあって。不審者に追い回されると危ないからって青兄が送り迎えしてくれたり」
「は?…手紙?そんなことあったの?」
「あったの。芸能人なら誰しも通る道」
「俺しらないし。てかそれなら俺に言えばよくない?」
「あんたが何してくれるっていうの」
「彼氏役」
「最高で最低」
「高低差えぐっ」
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