第14話

14歳。



芸能活動を細々としながら、お互い地元の中学に通っていた朱朗と星來。



地方CMに地方ロケ、舞台など表立った仕事がここのところなかったにも関わらず、世間の街頭アンケート調査では“好きな10代のタレント”、1、2位を獲得していた。



その甲斐あってか、数年ぶりに開催されるジュニア向けファッションショーのトリを飾ることになった。



プチRICOという小学校から中学生を対象にした雑誌が開催するファッションショーで、3歳から15歳までが出演できるというもの。通称RICOコレ。



各プロダクションが抱える子役をこぞってアピールする場でもあるが、主催側に選ばれることが絶対条件となる。




「おい朱朗!何回言ったらわかるんだよこのポンコツ!ポンコツ太朗!」


「痛った〜!なにも殴ることないじゃん青兄!」

 

「この緑のラインに沿って歩けって言ってんのに、はみ出しっぱなしだろ!そのはみ出しっぷりはお前の人生と一緒なのか?いやむしろ僕の人生か。あはは!」 



朱朗が所属するファインロードプロダクションのスタジオに来ていた朱朗と星來。


 

10個上の朱朗の兄、青司あおしはすでに事務所は辞めていたが、元々モデルとして活躍していたため、その日は朱朗と星來にランウェイでのウォーキングを教えていた。



「星來ちゃんいいね、呑み込み早い。そうだ途中でターン加えよっか。見せ場をどんどん作ってこ。」



大人の、あくまで高級ブランドが主役のファッションショーとは違い、キッズはとにかく自分を魅せることが求められる。 

 


ランウェイのトップ(先端)では各々が思う存分ポーズを決めるのだが、中にはダンスを披露するキッズもいるくらいアピールが激しいのだ。

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