第13話
星來は信じられないといった険しい表情を朱朗に向ける。出ないって…ガチャなの?
それに口を開けばなにかと、兄がああ言ったから、こう言ったからと言われることにもイライラしていた。
朱朗の気持ちを知りたいのに。
「星來やだよこわいよ怒んないでよ!ごめんって
!あはは〜怒った顔もかわいいね!」
「こわいよこわいから!やめてよそのブレブレな感情!」
「……俺のこと、嫌いじゃない?」
「うん、嫌いじゃないから!だからそういう精神安定しないのやめよ?」
「……わかった。俺、精神安定するようにする!」
「道徳的にそれが熱いよ。さすが朱朗!」
星來はしゃがんでいた朱朗の腕を持ち立たせると、朱朗の頭を撫でた。すると一瞬にして朱朗は満面の笑みになる。
で、反対のポケットからまた折りたたまれた紙を取り出し広げる。
「婚姻届、何枚かもらっておいてよかった!はいこれにサインして?」
結婚への執着は理解している癖に、恋愛のことはまだよく分かっていない12歳朱朗。
色々なものをすっとばし、半ば狂的な告白に、“朱朗は何も分かっていない”と思わなければ星來はやっていられなかった。
まだ恋には遠い二人。
でも朱朗自身の気持ちを知りたい星來は、自覚はないものの、女としての自覚は持ち初めていた。
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