第2話
「予想の範疇外」
クズ俳優が、女優の吐かれた煙をいぶすよう吹き返す。グレーが目の前を遮るも、鼻からは微かに彼女の甘い香りが感じ取れた。
「なにが?」
「星來が咳き込むのを予想した俺は馬鹿ですか?」
「こんにちは馬鹿でクズの人生、さらば実直な私」
「あら?もしやお宅もクズで?」
「あら?
「清純派で範疇外の星來様、最強でよいね」
彼女の口からタバコを取ると。
彼はその唇にキスをする。下唇をはみ、上唇を吸い取って。
唇を重ねる範疇外の俳優と、あくまで清純派を貫く女優。
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