第3話
滑らかな舌触りに反し、舌の中枢がくすぶるグレーの苦さを感知する。
「せーらは昔からかわいいね。」
「ねえ、好きって言葉はもらえないの?」
「当選しないともらえないの。」
「初めて会った時から応募してるんだけどなー。」
「抽選に外れたらかなしい?」
「うん。死にたいくらいに。」
互いの舌先を嬲り、彼の長い指が彼女のあらわになる腕をとらえて。
いかに痕を残そうか。そう強く指を食い込ませる。
「さすが女優さん。かなしい演技がお上手で。」
「もう。朱朗きらい。」
「好きすぎてごめん。」
「ふふ、この演技派AV男優」
これぞ拗ねにすねらせた二人の末路だった。
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