第14話 イェソド山脈

イェソド山脈に行く道中で、シュッディムの群れに襲われた。

しかし、厳しい訓練を受けた智紀達は恐れおののいたりはしなかった。

「ターゲットをしっかり見据えて撃つこと…ターゲットをしっかり見据えて打つこと…」

史郎が呟きながら、炎の魔法を放った。

赤き閃光がみごとシュッディムに命中した!

残ったシュッディムを蓮羽のジャンプ斬りで一掃していく。

「やった!!」

史郎と蓮羽のコンビネーションでシュッディムが全滅した。


「俺らの出番は無かったみたいだな~!!」

蘭が笑った。


イェソド山脈につくのには三日かかった。

イェソドには、青白色の銀光が煙のように昇っていた。

「あれは銀の精気だよ。良い銀が採れるみたいだね」チビノアが言った。


智紀は、ドラゴンが上に上がっているのを見た。

「あれ見て!!」

「何?」

ドラゴンは消えていた。


「行こう」チビノアが促した。


山道に進む。山道には植物が生えていなかった。

「鉱石の或るところは、『草木生むものなり。生んでもやがて枯れるなり』と言ってね。鉱石の採れるところは植物は育成しないところが多い。でも、金属を好む植物もあるよ。これは、龍の髭というもので、龍の髭は薬草になる。少し摘んでいこう」

コバルトブルーの葉を摘みながらチビノアは言った。


採掘場に着くと、コロ虫たちが発掘作業をしていた。

経営者である、山師のコロ虫が監視する中、銀堀のコロ虫、柄山負のコロ虫、手子のコロ虫達が歌いながら労働している。


エンヤラコーラ 

金もない

知恵も出ない

それなら体を動かすべし

仕事後のご飯は

どんなごちそうよりも美味しいもの

今日も母ちゃんの為に

エンヤラコーラ

エンヤラコーラ


「行ってみよう!!」

智紀達が走り出した。

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