第13話 英霊との融合

智紀達に事情を聴いた星哉は、

「にわかには信じられない話だが……。でも、この世界の魔王を倒すことが、乃蒼くんを救うことになるんだね?」

智紀はこっくり頷いた。

「分かった。僕も協力するよ。それに、その子は乃蒼君の小さい頃によく似ている……」

チビノアの方を見ながら星哉はいった。


「では、始めよう」

英霊ジークフリートの魂が、星哉と融合する。

融合の拒絶反応なのか、苦しみ、吐く星哉。星哉の意識は無くなったーーーー。


星哉は目覚めた。ここは、星哉の精神の世界か?


「問おう。お前は救いたいものが?」

英霊ジークフリートが星哉に聞いた。

「ああ」と星哉は頷いた。

「それならば……我の魂ごと持っていくがよい!!」

英霊ジークフリートが叫ぶ。

まばゆい光が溢れ出すーーーーーーーーーーーーーー


「星哉さん、大丈夫ですか!?」

智紀達が心配して駆け寄る。

星哉は静かに目覚めた。

英霊ジークフリートと融合を果たし、星哉は若返ったようだった。

「昔に戻った気分だ」

****************************************************************************

「チビノアさま、手袋と帽子は持ちましたか?お靴はそれで大丈夫でしょうか……エヴァンス!確認して」

「コンパスは?水筒、行動食は?医薬品類は?」

「あーもう、うるさいよ。全部持ったよ!!」

過保護すぎる流浪騎士団達にチビノアは一括する。

「山頂は冷えますからね。智紀達、チビノアさまをどうかよろしくお願いします」

「うん!!」智紀達ははしゃいでいた。

「ピクニックじゃないんだよ…」チビノアが呆れながら言った。


シュトハムとルディン、エヴァンス、クリス、他・流浪騎士団達が見送る中、智紀達、星哉、チビノアは、イェソド山脈を目指し、出発した。

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