第6話 叔父の旧家へ

智紀たちは、事件の事を何か掴めないか、義光、由紀、乃蒼、正の家族が住んでいた旧家を訪れた。事件のあったいわく付きの家だ。青い屋根と白い壁の立派そうな家だったが、

「こわいよ、ゲームの青鬼みたいなのがで出来そう……やめようよ入るの」

史郎は最後まで渋っていた。

家は廃墟と化していた。

「まずは周辺調査だ!!」蘭が言った。智紀たちは家の庭に入り込んだ。

雑草が生え放題で、植えてあった木々の葉も伸び放題。ちょっとしたジャングルだった。そして、黄色い花が一面に咲いていた。

「何の花だろう…」

「ダリアよ。花言葉は確かーーーーーーーーーーーー」


山鳩が庭に紛れ込んだのか、ぼーぼーぽっぽと鳴いていた。


一同は庭の周辺調査を終え、廃墟と化した事件現場の家についに潜入した。

玄関は、どこからともなく吹く風で寒いくらいだった。

玄関には、血溜まりの跡がこびりついていた。

「ひっ」

皆怯えていた。史郎は外に出ようとした。

「ま、負けないんだ…!!叔父さんを助けるんだ!魔王はんにんを捕まえる手がかりがここに必ずあるはずだ!!」

智紀は、皆と自分に言い聞かせるように言った。


「これは、義光さんの血の跡かもな。玄関で刺されたと新聞に載ってたし…」

蓮羽は冷静に分析した。


カシャーンと居間から音がした。

「し、心霊現象?」光が泣きそうになって言った。

「行ってみようぜ」蘭が言った。

居間に行くと、写真立てが落ちて壊れていた。

「な、なんで倒れたんだろう…」史郎は怯え切っていた。

写真には、義光と由紀と正と乃蒼が映っていた。幸せそうな家族写真だ。

写真に見耽っていた智紀だったが、

「み、見て…」

光が指をさした。

ここにも血の跡があった。そして、階段の方に血の引きづった後が続いていた。

「由紀さんの血の跡だな」また蓮羽が言った。

「冷静な判断ありがとう。……もう僕は帰って良いかな」

史郎は限界だった。

「あぁ?」蓮羽は史郎を窘めた。

血の跡を辿って2階に行くと、ピアノの置いてある部屋に着いた。


「ここは…叔父さんの部屋だ」


部屋にはピアノと勉強机と鏡が置いてあった。

叔父はいつもここでピアノを弾いていたんだ。事件の日もーーーーーーーーーーー


探索し、部屋にあった鏡を覗くと、なんと城が映っている!!

叔父・乃蒼と智紀がレゴで一緒に作った城に似ていた。


智紀は手を伸ばした。

するとすうっと智紀が鏡の中に消えた。


皆は突然の事態に驚いていた。

「智紀の後を追おう!!」

「うん!!」蘭と光も鏡の中に吸い込まれた。

「これ、マジ?」

史郎は戸惑っていたが、蓮羽が

「早く行け」と史郎を蹴った。

鏡に吸い込まれていく史郎。蓮羽も皆の後を追った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る