第2話 魔王軍なんて一蹴なんですよおお(眼鏡クイッ)!!
「おう! 誰を打倒するってぇ!?」
↑ ひくいこえー
「な、なんだオマエ達は!?」
「と、突然湧いたぞ?」
「頭に角? 魔族か!?」
「よ、4人だけ? 斥候!?」
「馬鹿な! 前線からは結構距離あるんだぞ?」
↑ ぱにっく
「皆さん! 下がって下さい(眼鏡スチャッ)!
あれは魔族です(眼鏡クイッ)!
それも潜入戦闘用に編成された特別チームと見受けます(眼鏡クイッ)!
今の所あの4人の気配しか感じませんが、周囲の警戒を怠らないで下さい(眼鏡クイッ)!
↑ めがねー
「くっくっくw
一瞬で状況を理解するとは
流石に大賢者サマってところかw」
↑ つのー
「気配から察するに貴方達、かなりの手練れですね(眼鏡クイッ)!
大隊長クラスかそれ以上…(顎フムー)
ハッ(眼鏡キラッ)!?
まさか(眼鏡クイッ)!?」
↑ めがねー
「くっくっくw 流石は大賢者サマだぜw」
「初見で俺達4人の正体に気づくとはなあww」
「そう何を隠そう俺達4人は!」
「魔界の最高戦力! 四天王よ!!!!」
↑ つのー
「ば、ばかなーーー!!!
四天王と言えば魔王に次ぐ魔界の最高戦力!
それが4人固まって何故こんな前線の内側まで潜り込んできたぁ!?」
↑ せんせー
「くっくっくw まだ勘違いしているようだなw」
「勘の鈍いヤツだなあw」
「オマエらが言う前線とやらを楽々突破したから俺達がここに居るんだろ?」
「もうここが前線なんだよおwww!!」
↑ つのー
「あ、ありえない!
この前方には難攻不落の鉄壁要塞! 更にその前方には精密無比の千里塹壕があるんだぞお!」
↑ せんせー
「要塞? そんなのあったかw?」
「さあ覚えてねぇなw」
「ああ、あそこじゃね? メシ休憩の為に分捕ったショボい砦w」
「悪りぃw 喰うのに夢中だったから記憶にねえわw」
↑ つのー
「あ・あ・あ・あ…
そ、そんな… そんな馬鹿な…
人類の最後の砦鉄壁要塞が突破され、更には四天王が4人揃ってこの村に攻めて来るなんて…」
↑ しんぷー
「なるほど、貴方達の目標は大賢者のスキルを引いた私。と言う訳ですね(眼鏡クイッ)。
流石に帝都に居る間は手を出せないから…(眼鏡クイッ)
この村に卒業式で帰省してきた所を狙って来た、と(眼鏡クイッ)。
私が大賢者である事はまだ公式発表されていない(眼鏡クイッ)。
にも関わらずピンポイントでここを狙ったという事は…(顎フムー)
貴方達4人が装着しているその片眼鏡に秘密がありそうですね(眼鏡クイッ)。
大方… 長距離からスキルを識別可能な、スキルレーダーと言ったところでしょうか(眼鏡クイッ)?」
↑ めがねー
「はっはっはw 何もかもお見通しかよww」
「魔王様が警戒なさるはずだwww」
「おうよ! この装置こそ天才発明家でもあられる魔王様が開発した『スカウター』だ!」
「オマエらのスキルはこのスカウターで手に取る様にわかるぜえ。」
↑ つの
「ば、ばかなあ!!
スキルを見破る装置だと!!?
そんなものが魔王軍に出回ってしまえば!!」
↑ せんせー
「そう。 戦闘で一方的に勝てるw」
「何せ相手が何をやって来るか分かる上に、強敵の居場所まで事前に把握出来るw」
「おいおいw 左端の男、火魔法使いだぜw 今、こっそり詠唱中だw」
「ばーかw 相性の悪い水魔法をお見舞いしてやるぜ! おらああ!!!」
↑ つのー
「ぐわー!!」
↑ しんだー
「ぎゃっはっはw 火魔法の詠唱中に水魔法食らったらそうなるわなw」
「おっと後列右から3番目のオマエw 弓兵のスキル持ちだな?」
「無駄だぜえww 俺達はオマエらの行動全部読めちゃうからww」
「ここに居る連中のスキルを全部チェックしちゃうよーんww」
↑ つのー
「ぐぬぬ! 悪夢だァ!
こうも簡単に手の内が読まれてしまったら勝負にならない!
一方的にやられてしまう!!!」
↑ せんせー
「はっはっはww いいねえw その絶望に染まった表情ww 最高にウケるぜw」
「それにしても流石は魔王様だぜw こんな凄い発明品を全軍に配布して下さったんだからなw」
「おかげで我が軍は無傷w ここにもすぐに魔王様の直属部隊が来られるぜえww」
「大賢者のランクは19。 一般兵に勝ち目は無いが、同じ19の四天王が4人がかりで掛かれば楽勝w」
↑ つのー
「なるほど。 戦力を集中し私を倒してから魔王の本隊と合流(眼鏡クイッ)。
そのまま我々の街道を使って帝都まで電撃侵攻する作戦、という訳ですか…(眼鏡クイッ)」
↑ めがねー
「くくくw 末恐ろしい小僧だぜw 魔王様の戦略を一瞬で看破するとはなw」
「だからこそ大賢者は初戦で仕留めて置く必要があるww」
「最高ランクの大賢者さえ始末してしまえば、魔王様は安全に進軍可能だw」
「それじゃあお喋りは終わりだw 4人で大賢者を… ま、待て!」
↑ つのー
「…!?(眼鏡クモリ)」
↑ めがねー
「なんだよ? 早く大賢者を仕留めないと魔王様の進軍ルートが確保できないぞ!」
「いや、違うんだ! 大賢者の真後ろの小男! 隠れてやがった!?」
「ぬ!? 本当だ! 背筋を曲げて上手く大賢者の死角に潜んでいやがった!」
「ふー。 危うく奇襲を食らうところだったぜ。 おい、アイツのスキルも分析するぞ!」
↑ こっちみてるー
「ぐっ! 奴らテーノにまで目を付けおった!
テーノ! オマエのような無能に戦闘は無理だ!
ここは先生達に任せてオマエだけでも逃げろ!」
↑ おでー
「そうだよ! テーノ君!
君の様な糞チビガリヘボギリ健運動音痴にここは危険すぎる!
早く逃げなさい!」
↑ おでー
「くっくっくw 魔王様の命令でなw 全ての敵のスキルを解析し統計を提出せねばならんのだw」
「我々魔王軍がこの地を支配する為の労働奴隷を分別する必要があるからなw」
「よーし、みんな! あの伏兵の小男にもスカウターを使うぞ!」
「目標! 大賢者の真後ろの貧相な小男! スカウター、スイッチオン!!」
↑ きんちょーしてきたー
「くっ! 流石に四天王ですね!!
スキルランク19が4人も集まってるのに、全く油断がない!」
↑ おなかぴくぴく
「…ん? エラー? スマン! 俺のスカウターの調子が悪いようだ! 表示がされない!」
「え? オマエもか!? 俺も… くっ!? エネルギーダウン!? どういうことだ!?」
「ぐわっ!! 発火したァ!? 出力絞れ! あの小男! こちらに何か仕掛けて来てるぞ!」
「よしエネルギー出力最小で! ん? 何!? そ、そんな馬鹿なーーー!!???」
↑ せんせーといれー
「む?
どういうことだ!?
四天王の様子がおかしい?
テーノを見て混乱しているのか?」
↑ うんちもれそう
「おい! 早く読み上げろ! フォーメーションが組めないではないか!」
「…う、うんこ。」
「ハア!? ちゃんと読み上げてくれ! あの小男のスキル名とスキルランクは!!?」
「スキルの効力もだ! 大賢者と相乗効果を発揮するタイプだと不味い!!」
↑ あっちもうんこのはなししてるー
「どうした?
奴ら何か口論しているようだが…
あ! 奴らの背後から凄い軍勢がぁ!!!!!!!
ま、魔王の本軍が来てしまったのかあああああ!!!!!!!」
↑ いっぱいー
「魔王様の旗本か! 進軍を中止させてくれ! こちらでイレギュラーが発生している!!」
「スキル表示出たぞっ! 読み上げる! スキル名うんこ! 効力うんこ! ランクッ!…ゼロ?」
「訳がわからない! ちゃんと読み上げてくれっ!! 俺のスカウターは焼けちまってるんだよ!」
「ゼロ!? ゼロってどういうことだ!? それにそんなスキルは聞いた事無いぞ!!!」
↑ ぱんつにうんこつきそー
「い、いかん!!
四天王の後ろに魔王の本隊が布陣してしまったああ!!
や、奴らっ! ここを拠点にするつもりかああ!!!」
↑ といれにいっていーですかー
「だから! 緊急事態だと言っている! ここは危険だ! 魔王様をもっと後陣に下げてくれ!!」
「本当にうんことしか表示されていない! ランクもゼロのままだ! それ以上は何もっ!」
「おい! 勝手に陣幕を張るな! まだセーフゾーンを確保出来ていないと魔王様に報告してくれ!」
「四天王から全軍に緊急通達っ! アンノウンスキル『うんこ』と遭遇!! 能力解析不能!!!!」
↑ あーあーうー うんこじゃー
「こ、こちらも援軍を呼んでるんだよな!?
駐屯地の騎士団はまだかっ!?
全部隊を送ってくれ、大至急!!!!!」
↑ あー またおかーさんにおこられるー
「先鋒隊! 早く下がれ!! 敵は未知のスキルを保有! 威力は不明!!」
「だから! スキル名は『うんこ』! それ以上はわからない! 念の為、本陣を下げてくれ!!」
「総員第二種防御態勢!! 敵のスキル名から毒や呪いの可能性も推測される!」
「ん!? ちょ、ちょっと待て! 何か変な臭いがしてないか!?」
↑ うんこー?
「こ、この臭いはっ!? ま、まさかっ!!!」
「間違いないっ! 人糞の臭い!! ハッ!? つまり『うんこ』とは毒ガス系統の能力!?」
「全軍緊急後退ッ!!! 敵のスキル発動を確認したああ!!!」
「大至急魔王様を退避させろおお!!!! 全軍ッ! 呼吸を止めて全力後退だあああああ!!!」
↑ もらしたのばれちゃった
「むっ!
な、何故だっ!
何故この局面で敵が後退していく!?
どう考えても相手側の圧倒的有利だったのに!?」
↑ ぱんつにうんちー
「おお騎士団の皆様!
お早い着陣に感謝します!
え? 2個師団で来て下さった!?
たまたま精鋭師団同士で演習を始めるところだった!?
ありがとうございます!
敵が急にやってきてもう終わりかと思っていたところなんです!
ええ、何故か勝手に総崩れで撤退中のようですが。
え!? このまま追撃戦に移る?
おお! 流石は勇ましい騎士様です!
どうか御武運を!
神の加護あらんことを!!!」
↑ だいにだんー
「い、息を止めながら全力疾走しているから…」
「全軍が… 壊滅していく…」
「…ば、ばか。 魔王様の本陣で将棋倒しになるな!」
「ぐっ! 撤退中の背後を人間側に猛襲されている… だと…」
↑ いっぱいもらしちゃったー
「え、エリト…
これは一体どういうことなのだ…」
↑ あーあーあー
「私は大賢者です(眼鏡クイッ)。
故に、世の中にはこの私にすら分からない現象が存在する事を分かっております(眼鏡クイッ)。
ですが、この状況でたった一つだけ断言出来る事があります(眼鏡クイッ)!
それはっ(眼鏡ギラーーーンッ)!!!」
↑ おかーさんにおこられるー
「そ、それは?」
↑ うんことまらないよー
「長きに渡るこの戦争っ(眼鏡チュドン!)!!
我々人類のっ(眼鏡パリーン!)!!!
勝利なのですよおおおおおおおおおお(眼鏡クイクイクイクイ!!!)!!!!!!」
↑ ぶりぶりぶりぶり
「「「「うおおおお!!!!!!」」」」」
「「「「勝ったああああ!!!!」」」」」
↑ ふーすっきりした
(完)
【神聖歴219年】
うんこケ原合戦(魔界側の呼称ではウンコグラード攻防戦)に人類勢力は勝利。
魔王軍は魔王及び四天王の首脳部と各部族長の大半が戦死し、首脳部が壊滅した魔界勢力は深刻な無政府状態に陥った。
【翌神聖歴220年】
残存6部族が臨時に建国した魔界共和国は旧魔王城にて降伏文書に調印。
こうして有史以前から長きに渡って続いていた人魔戦争は終結した。
究極の外れスキル『うんこ』こそがを世界を救済する最強スキルなのでわ(眼鏡クイッ)!? 蒼き流星ボトムズ @botomuzu
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