第3章 失われていく友
ざまぁモノの小説で、よく ざまぁされた側は「鉱山送りになって過労で命を落とした」、「魔獣にくわれた」などのあっさりした表現で終わるけど、残念ながら彼女をあっさり終わらせる気はない。じわじわと苦しめてやる。
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マリアンヌ、フェルダ、セイラ、コレット。4人は船の中で拘束され、国から少し離れた島へ送られていた。
この島は罪人の島として有名で、若くて体力がある若者の犯罪者は、海上の警備のついでで、この島へと送られるのだ。「その若さ故の体力でしっかり労働し、この島を港町に発展させ、国の貿易業に貢献したら、罪が許され、国へと帰ることができる」というらしいが、この島の環境は過酷で、いまだに港町に発展していない。そもそも町はおろか、家屋らしいものが1つも立っていない。つまりこの島に来るのは実質処刑を意味する。
「エリーナを失ったことによる損失は大きい。エリーナがいれば、作物の品種改良や、薬草実験で、多くの人々の病と飢えの問題を解決できるかもしれなかった。エリーナ以上の貢献を期待する」という名目で、マリアンヌたちはこの島へと連行された。
「降りろ」
船が島に到着し、見張りの兵士は乱暴に4人を島へと突き飛ばした。
「二度と戻ってくるなよ。ゲス女め」
兵士は船へと戻っていく。船は島から離れ、小さくなっていく。
マリアンヌから、エリーナの自作自演のこと、そしてエリーナはまだ生きていることを聞いたフェルダ、セイラ、コレットは怒りに震えた。そして彼女たちは決意する。
「国に戻ってクレスタ王子とエリーナに復讐する」と。
「…まずは食料と水と住処をどうにかしないといけませんわね。復讐する前に飢えで死んでしまいます」
水は川をたどることで簡単に湧き水が見つかった。住処として使えそうな洞窟も見つかった。問題は食料である。
彼女たちは武器になりそうなものを持っておらず、獣を狩猟して肉を調達することはできない。そうなると、木の実を探すしかない。
「…あ、あの木の実、おいしそうですよ!」
果実がなっている木を見つけたフェルダが、木の実をもぎとった。
「待ってください、フェルダ。毒があるかもしれません」
慎重な性格のセイラがフェルダを止めようとする。
「そんなこと言っていたら、いつまでたっても食べ物が見つからないわよ!…もぐっ」
なんの疑いもせずに木の実を食べるフェルダ。…と、その時。
「…うっ!?? ゲボッ!??」
「ふぇ、フェルダさん!?」
「い、いやあああぁああぁぁぁ!??」
フェルダが食べた木の実は毒入りだったらしく、彼女は血を吐いて倒れてしまった。
「フェルダさん!しっかりしてください!!」
必死にマリアンヌが声をかけるが…フェルダはぐったり倒れて動かなくなってしまった…。
「なんてこと…。フェルダさんが…!」
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