第72話

『 さっきも言ったけど

僕の家柄もそこそこだから

それはメリットにならない。

ユウミ。小説家でしょ?

もっと想像力を働かせなきゃ。 』



にっこりと笑うリョウジ。


何も知らないのは私だけに思えて、

少し腹が立つ。


けれど、確かにそうだ。

大きなお金ぐらいじゃメリットとは言えない。

時間もかかるし、リョウジの家柄を想像すると

見合わない仕事だ。


・・・



「 じゃあ、私と結婚して家を乗っ取りたい

とか? 」



そんなドラマみたいなこと言う私に、

リョウジはとうとう吹き出した。

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