第10話

『 確かに。ユウミの世界は不甲斐ないね。

じゃあさ。僕と恋人同士になってみる?

タイムリミットまでの期間限定。

実は、僕にもちょっと事情があって

そういう相手を探していたんだ。 』



リョウジが思いがけないことを言ったので、

今度は私がきょとんとした顔をする。



『 2日に一度のこのコインランドリーでは

僕たちは恋人同士。

お互いの事情については深くは聞かない。

ユウミのタイムリミットが来たら

僕は黙って去る。

これなら問題ないでしょ? 』



何か、安っぽい恋愛小説みたい。

良いかも!!すごく良い。

これを題材にして恋愛小説を書いてみて

万が一大当たりしたら、私は自由になれる。


それに、今まで知ることができなかった

恋愛体験までさせてもらえるのだ。


うん。かなりお得だ。



『 どうする?この話に、乗る? 』



答えはすぐに決まった。



「 乗る!!乗ります!すごく楽しそうだし、

反抗してる感じが素敵な気がする!!

リョウジ、宜しく。私、頑張る!! 」



反抗って何?親に?

ほんっとおもしろいね。

そう言って、リョウジはケラケラと笑った。

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