第66話

「あ、でもママもいい匂いなの。ポクママの匂いだーいしゅき。ママママー!ママの羊水に帰りターイ!」



 グリグリと私のお腹に顔を擦り付ける先輩。


 ···いつから私はママになったのか。隠し子発覚に到った経緯がまるで思い出せない。



 確かに高校の時から生徒会のことで相談を受けることはよくあった。


 きっと私=頼れる存在=ママになったとかそんな感じだろう。



「···先輩、疲れた顔してるのでちょっとお昼寝したらどうです?」



 とりあえずさっさと寝かせて帰ろうとする私。先輩はこうなると3時間は私を離さない。



「あのね、ポクね、きょうね、ママにたくしゃんイイコイイコしてもらいたくって、ママのためにお歌を作ったから歌うの。」


「へ、へえ~、凄い能力身につけたんですね?」


「しょうなの。ポク、能力者なの。」



 面倒くさいけど、"歌"って何だ。ちょっと気になる。


 先輩が私のお腹から顔を離し、キラキラとした目で見上げ、「ママたん、ママたん、ふふふ」と言って気持ちの悪い顔で笑った。



 私の前で立ち上がった先輩がセルフで手拍子を始め、大きく息を吸い込んだ。



『ママーママ~、ママママママママママー♪

ポクの愛するママが~今にも暴漢に襲われしょうだ~ ♪


 「キャーHelp me, Yoshimitsu Mask !!」


正義のヒーロー、吉光仮面、只今参上らっセラーらっセラー!!


ママの操はポクのもの~。お前らなんかにゃやらせはせんッ!!!!(力を込めて)


ほれほれ、そこホレ、ここ掘れワンワン♪

墓穴を掘ったな悪党どもー♪


 「Thank you Yoshimitsu Mask!」


ママがポクのほっぺにチュウをしゅるー♪でもチュウより何よりママのケツにぶっ込みたいんだよ俺は!!(エコー)


ママとポクは今日もノリノリ、イイ・・感じ~♪』



 ちょっとうどん同好会の2人、早く蓮見先輩をりにきて─────

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