第58話
でも今やっとわかった。琉生が高校時代、ずっと私の身体の一部に視線を置いていた理由はきっとこの映像を作るためだったのだろう。
私の身体を舐め回すように見て、身体の作りを確かめていたに違いない。だからって家業の力利用するな。
「朱南···お前は、俺たち4人の中で誰が好きなんだ?!」
それは今まで幾度となく4人に問い詰められてきたことだ。
高校時代、4人の長所、特技、私にとっての利点を紙に書き出したことがある。
その中では蓮見先輩が1㎜ほど秀でていた。
でも残念ながら、蓮見先輩には巨チン以外にも、とんでもない生態がある。
···となると今のところ一番まともなのは心陽君なのかもしれない。多少のクズ臭はするが、彼から狂った生態は見受けられないから。
私は今の状況をそのまま琉生に伝えた。
「た、多分、心陽君かなあ。。好きとかって気持ちはよく分かんないけど、人として普通そうだし···。」
琉生が唇を噛み締め、瞳を潤ませた。
「なっ···なんでっ!アイツ、庶民なんだぜ??お前の親御さんたちはそれでもいいのかよぉ!!」
「···うちの母親も庶民からの成り上がりだから。というか人としてまだ一番まともってだけの話だから。」
「好きだよぉ朱南!!めちゃくちゃ好きで好きで好きなんだよぉっっ!!」
琉生が線引きしていたビニール製の縄跳びを自分の首に巻き付けた。そしてそれを交互に力を込め引っ張る。
「あ朱南···俺と結婚してくれなきゃ、俺、今ここで死ぬから!!」
「ちょっ!それ卑怯だよ琉生っ!」
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