第57話
この映像のクオリティと琉生の妄想力、果たしてどちらが上なのだろう。まだまだ上には上がいるし、下には下がいる。
私は、頭皮の油汗でギトギトになったゴーグルを取ると、なんと目の前には琉生が座っていた。
「ヒッ!!」
「ハアハア、あ、朱南····み、見たのか···?」
いつから見ていたのか····、息も絶え絶えに、瞬きもせず目を血走らせている。
「い、いつからそこにいたの琉生···。いや、あの、首つりはもういいの····?」
「ちょ、ちょっと、遺書を書き忘れて····、てか朱南がソレ見て興奮してるとか、かなりクるんだけどハアハア。」
こないよ?私が私のヤってる姿見て興奮してたら猟奇的な変人だよ??!
「そ、それ、一通り5人とヤると、夢の無双ルートってのができて、5人同時にヤれるようになるんだ!夢の6Pだ!」
私はあんたを
ちょっと今日はもういっぱいいっぱいだ。そう思い部屋に帰ろうとすると、琉生がまた声を上げて泣き出した。
私は琉生の持っていた縄跳びを取り上げ、自分と琉生の間を縄跳びで線引きし、こっちからこっちに入ってきたらムエタイ技で男の機能停止させてやるからと脅し、話を聞くことにした。
「朱南···俺、朱南が好きで好きで、好きで好きで、そして、好きなんだ····。」
「···そ、そうなんだ。」
今度からもうちょっと比喩的な表現だの、ロマンチックな語彙だの上手く使ってこうよ。
「それなのにさ、朱南は俺だけに構ってくれるわけじゃないし、すぐに他のヤツらのとこに行くしさ、」
「う、うん···。一応他の3人ともデートするって約束になってるし···。」
「どうしたら俺だけのもんになるんだろうって、こんなに好きで好きで好きなのに、どうしたら俺で朱南をいっぱいにできるんだろうって、」
「·········」
「そしたらいつの間にか朱南にチヤホヤされたい願望が膨れ上がってさ、」
「う、うん?」
「まあつまり哲学的に言って、独占欲=ハーレムに繋がったんだ····。」
哲学舐めるな。
「そうだとしても妹キャラにした意味は何なの?!別に幼なじみでも同級生でもいいじゃん!!」
「率直に言って妹系を陵辱するのが好きだから。」
「ガフぅッッ"陵辱"のパワーワードやめて?!!吐血しそう!!」
"雌犬"だの"陵辱"だのこんなの言葉のレイプだよ!私は本当に秋人や琉生に心の底から好きだと思われてるの?!
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