第50話
「朱南···多分今日の昼過ぎには俺の死体が裏庭にあがると思うから····」
「はい。」
「···もし、俺がいなくなって寂しくなったら、俺の部屋から服とかパンツとか持ってっていいから···」
「いや、ゲームだけもらっとくよ。あ、ちゃんとお昼ご飯食べなよ?菓子パンばっか食べてちゃダメだからね??」
「····ねえ、朱南····」
うっさいなー!!はよ行かんかい!!
私は段々イライラしてきて、琉生の言葉を無視し、食堂の方へと歩き出した。
琉生はもう追ってくる様子はない。後ろ髪を引かれる思いなど全くない私がズンズン前に進んでいると、ついに後ろから鼻をすする音が聞こえ始めた。
「朱南···ねえ朱南·····、お、俺のこと、きらい"にな"った?」
そっと後ろを見ると、その場に立ちすくむ琉生が両腕で涙を拭いている。
ま・ま・ま・まじ勘弁!!この手のタイプは前世にはいなかったけど、いちいち悲劇のヒロインぶって泣く男、ほんっとないわ~。
肩を落としどっと疲れが出る私。
「···嫌いじゃないよ。嫌いじゃないから琉生は本当はこれからどうしたいの?泣いてちゃ分かんない。ちゃんと言って。」
「うあ"あ"あ"あ"~~~~」
廊下で嗚咽を漏らしながら泣きじゃくる赤髪の不良。
「お、俺···あ、朱南と2人きりになりたい···。」
「······」
「だ、だから、俺の部屋きてほしい"···。」
「2限はどうするの?」
「さ、サボってよ、朱南···。」
···何で私があんたのために授業サボらなきゃなんないの?
「や、やっぱ、俺のためにはサボれない?」
「·····」
「ねえ、俺と授業、どっちが大事?」
身体の底から沸き上がるものを感じた私は、持っていた鞄を思い切り床に叩きつけた。
バシーンッッッ
めーちゃウザいッ!!!!
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