第35話
私はバンッと音を鳴らし机に手をつくと、立ち上がって言った。
「合コン斡旋同好会を壊滅させましょう!」
いつになくヤル気の私に、その場が一瞬シーンとなるも、風紀委員長が「....あ、ああ。そうだな。」と少しどもりながら青白い顔で言った。
───ああ、風紀委員長、合コンしたんだな.....。
そこでツッコミを入れるほど嫌な女ではない私は、委員長の「じゃ、じゃあ今日の風紀委員会は終わりだ」の合図ですぐにその場を離れようと教室を出た。
でも当然のように秋人は私の後をついてくる。
高校3年の時、秋人と私はクラスが離ればなれになった。教師にクラスを一緒にしてもらうよう直談判しに行くという秋人を止めるのは大変だった。
1年間クラスが離れただけなのに、大学に入ると鬱陶しいくらい後をついてくるようになった。
RPGか。ひたすら主人公の後を縦一列についてくる仲間。
履修科目を選択する時、秋人と授業が被らないようにと素早く教務課に提出したのに、なぜか見事全部授業が被った。
隣の席に荷物を置けば、荷物をどかして隣に座る図々しさ。
「俺が朱南を守りますから」と綺麗事を言われても、ただのストーカーにしか思えない。
やっと秋人から離れられるのは寮に帰った時だけ。
それでもラインの量は、私が返さなくても、毎日20通送ってくる。性格がきっちりしているせいか、なぜか決まって1日20通、因みに私がメッセージを返せば50通になる。
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