2.ALSOK総動員でお願いします。
第34話
「どうも今年の1年生は風紀と服装に乱れがある。1年生にはマナー研修をする必要があるかもしれませんね。」
秋人が眼鏡をクイッと指で上げながら言った。
大学生にもなって、風紀うんぬんってどうなの?と思うところはあるが、実は学校教育で一番乱れるのがこの大学時代。
高校までは制服だったが、大学からは私服。それぞれ自分の嗜好を一番に表現できるのが服装だ。
私は大学2年生になった。
秋人と私は相変わらず風紀委員をやっていて、今の風紀委員長は大学3年生の人が務めている。
琉生も風紀委員に入りたがっていたけれど、高校時代の悪行から、委員会に入るのを拒否されてしまった。
蓮見先輩は、大学祭実行委員に入って、相変わらず充実した学生生活を送っている。
今年入ってきた心陽君の世代である1年生は、確かに服装が少し奇抜だ。
庶民である心陽君は、そもそも服にお金をかけることが出来ない。親戚の叔父さんからもらった服を着ているとのことだが、その格好がセレブ校らしからぬ、ストリート系なのだ。
それに触発された周りの1年生も派手になっていった、というわけだ。
「しかも最近では合同コンパを斡旋している同好会もあるとか.....1年生だけでなく、他の学年も利用しているらしいですよ。」
3年生の生徒が風紀委員長に向けていうと、気のせいか、秋人がゴクリと喉を鳴らした。
バカ言ってんじゃないよ、合コンぐらい許してやれよって声が聞こえてきそうだが、実は合コン斡旋には私も反対だ。
狼贅学園の生徒のほとんどが、親に決められた結婚相手と生涯を共にする。それが皆分かっているから、学生時代に恋愛を求めるのだろう。
なら、男同士でちゃっちゃと恋愛すればいいと思う。合コンなんて行ったらただの男女の出会いになってしまうじゃないか....!
合コン斡旋同好会の息の根を止めないと、私はこのままBLを目の当たりにすることなく卒業してしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます