第29話

そこから心陽君が私に悪態をつく度に、私はその10倍くらいのウザさで心陽君を応援した。


 でもたまに心陽君の悪態のお陰で、私の定評があかん方向になることもしばしば。



「先輩っていつもトイレ、個室入ってますよね?一人で何してんですか?もしかしてエロ本持ち込んで処理してんですか?本能の赴くままに生きてるんですか?気持ち悪いですよ??」



 そうすれ違い様に嫌味を言った心陽君。


 それがたまたま周りにいた同級生たちにも聞かれてしまって、



「なにっっ?!!一門!お前よくムラムラしてんの?!それなら俺が手伝ってやるって!!」


「ちょっっ!!アホなこと言ってると殴るよ?!!///」


「殴ってもいいからさ、今度トイレ行く時は俺も誘えよ~。な??」



 あっという間に同級生たちに囲まれ、肩を組まれてからかわれる始末。


 あれ?おかしいな。

皆最初全然私に興味なかった癖に、何で絡んでくる??下ネタか?下ネタが出たから絡んできたのか?


 その様子を見た心陽君はなぜか怒りMAX。


 怒りたいのはこっちだ!

余計な定評つけられたお陰で、私はなかなかトイレに行けなくなってしまったのだ。


 しかもそれを聞いた秋人と琉生が、私が他の生徒にトイレ中覗かれることを心配して、休み時間の度に「トイレか?」と聞いてくる始末。


 あんたら2人は私が女だって分かってんだから、もっとデリカシーを持ってくれと思った。

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