第22話

そういえば、私は前世の記憶があることや、ここが漫画の中の世界であることは、高梨先生以外には言っていない。


 もし、R18のBLの世界だと教えて、それで皆にR18の火をつけてしまったらと思うと怖いから。BLの火はつけたいけど。



 私はとりあえず蓮見先輩の巨チンの事実を、高梨先生に相談した。



「巨チンエッグいからな~。不思議だよなあ。巨乳は好かれんのに、巨チンは嫌われるて。」


「私はどうしたらいいんですか?もうムリです。いくらなんでもあそこまで巨チンの人とは付き合った経験ないですし。」


「朱南ちゃんには俺が教えたムエタイがあるやろ?もし襲われそうになったらお得意のキックで改心の一撃決めたれよ。的がデカいんやから!」


 

 端からみたら下衆なやり取りにしか聞こえないが、この時、私にとっては大真面目に悩みの種だった。


 しかも蓮見先輩は巨チンなだけでなく、柔道有段者。


....怖すぎる。とにかく生徒会室の前や3年生のクラスの前は通らないよう気をつけていた。それなのに....



 ある日、私が風紀委員室で一人で本棚を整理している時だった。ノックが聞こえて声で招き入れると、なんと蓮見先輩が入って来たのだ。


 本を抱えたまま固まる私。



「.....一門、ちょっと、話したいことがあるんだが....。」


「なななななんでしょう....。」



 蓮見先輩は、何か分厚いファイルを持っていて、それを開くと私に見せて言った。



「一門.....お前、女、なのか?」


「っ!!」

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