第8話

それらを踏まえた上で、私は今非常に厄介な問題に直面している。



 「勉強なんて家庭教師に教えてもらえばいいでしょう。今日は俺との用事があるんです。」


「ってお前らは同じ風紀委員なんだから用事くらい5分で済ましとけよ。そういや朱良、お前の好きな焼きそばパン買っといたぜ?」


「.....朱良は風紀委員をやめて副会長になるべきだ。」


「家庭教師なんて雇うお金はうちにはないんですよー!!それに朱良センパイじゃないと分かんないとこだし~。」



 4人が私に目配せをする。


 「俺(僕)の誘いに乗るよな?」と威圧感を放ち、私はそれに圧倒され思わず目を反らしてしまった。


 今の私は、狼に睨まれてたじろぐ羊のようだと言ったらまた高梨先生に嫌味の一つでも言われることだろう。



「......じゃ、じゃあ...今日は秋人しゅうと琉生るいで、明日は蓮見はすみ先輩と心陽こはる君ってことで....。」



 ......適当にあしらっとけばいいものを。。男の誘いに乗ったって何一つ良いことはないはずなのに....。


 なんて思いつつ、実は適当にあしらえない理由があった。

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