私の罪
@ksrgsgr
第1話
「人間はどうして生きているの。何もないつまらない世界なのに」
とそうつぶやく、私もつまらない世界で生きるつまらない人間なのに
と雨に降られながら一人公園の真ん中で佇んでいた
「ただいま」と誰もいない部屋に響き渡る
部屋の電気をつけお風呂を沸かす
数日前まではそのにはいたはずの人はおらず、失ったものの大切さを感じてしまった。
数日前、彼と親しくしている女性を見て嫉妬してしまい
彼を頭ごなしに怒ってしまった。そして言ってはいけないことを言ってしまった
「もう別れましょう」と
その言葉を聞いた彼の顔はやっぱりといったように納得の顔だった。
それ見た私はますます彼を問い詰めた。
彼はすべて否定していたが、彼の言葉は私には届いてなかった
先ほどの顔もそうだが、この期に及んで言い訳をしているように見えたからだ
もともと彼はそんな人ではない、頭でわかっていても信じることはできなかった
その結果彼はその日のうちに自殺した。
私は数日前のことを思い出し、彼になにかしてやれたのだろうかと考える
彼は数日前までいたのにどこで間違えたのでしょうか
彼をどこまでも苦しめていたのは私だ
私が勘違いしなければ
私があんなことをいわなければ
私が彼のことをもっと理解できていれば
こんなことにはならなかったんでしょうね
あなたは死ななくて良かったのだ
貴方より私のほうが死ぬべきだった
貴方は私という呪縛から解放され幸せになるべきだったのだ
彼の部屋にはもう何も残っていない
彼自身が隠したといっていた手紙以外は。
私は彼から僕がいなくなったら必ず読んで欲しいといわれていた手紙を取り出し、
彼が死んでから初めて彼と向き合った
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ただただ僕はあなたのことを愛したかった
それにようやく気付くことができた
あなたには感謝してる
僕がほんとのろくでなしだってことを
人として価値がないことを
人からこんなにも憎悪を向けられることについてを
そして恋愛など僕には無駄だということを
でもそんな僕をここまで我慢して付き合ってくれてありがとう
もうあなたをしばるものはもういない
貴方は僕という枷から解き放たれた
貴方は自由なのだ
それが幸運なことなのか不幸なことなのかはわからない
本当の意味であなたはしなくてよかった苦労をしなくてすむ
今まだお疲れ様 長い間ごめんなさい
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そこには彼の私に対しての思いや自分自身に対してことが書かれていた。
私の喪失感はさらに増した。
彼は私を愛しており、彼は自分では私に釣り合わないと思っていたと
また最後に見たあの表情は振られて当然だろうということだったのだろう。
私は彼のことを何も理解してあげれてなかった
あげれてなかったのではない理解しようとしなかったのだ
彼の好意に甘えてしまい、ただ自分だけが苦しんでいると思い込んでいたのだ
それこそ私は彼に謝らなくてはならない。あなたは私よりずっとすごい弱音を吐かず
私から言われたことはやり、どんなに無理なお願いでもかなえようとしてくれた
「人の気持ちになるとは何なの。その人にしかわからないことはどうしたらわかるの
人それぞれ感じ方や特徴がわからないのに相手だけ理解してほしいなんて馬鹿のすることだわ」
誰よりも自分と私のことを考えていた彼と、誰よりも自分のことのみを考えていた私
どちらが死ぬべき人間なんてわかりきったことだ。彼は死ぬべきではなかった
今更ながらそう思ったがその彼はもうここにはいない
どうしたら彼に償いができるかと考えていると一枚の紙が出てきた
その紙にはこう書かれいてあった
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これを読んでるころには僕はもうこの世にはいないのでしょう
やってほしいことがあります。
僕の生きてる意味を教えてください
どこでもなんでもいいです
これを聞くまではあなたの枕もとに化けて出ます。
追記
いつまでも僕はあなたの味方です。
僕のことで悩んでるのであれば過去に最低な男がいたと
そう覚えててくれるだけで僕は十分ですので
きちんと幸せになって、また会ったときに僕に何してるんだと言われないようにしてください
それが最後の望みです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼は本当に私のことを見てくれていたことに涙した
彼は自分がいなくなった後のことまで考えてくれた。
あの状況で彼自身もつらかったはずなのにだ
どこまでも私のために生きてくれていた彼の願いは一生かけてでも叶えなければならない
もう彼は戻らない
1年後5年後10年後と彼をみな忘れていくかもしれないが私が覚えておこう
それが私の彼への贖罪で私の過ちであり罪だから
私の罪 @ksrgsgr
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