うつ子ちゃん。
球根
第1話
まただ。
またうつ虫が脳味噌で悪さしてる。
そう思えばいいの。
お医者さんがそう言ってた。
私が悪いんじゃないの。
うつ虫のせいよ。
実際に鬱病って、心の病気じゃなくて
脳の異常らしいの。
だから、私の心が弱いだとか、
そんなことは思わないでね。
うつ虫のせいだから。
それが、うつ子ちゃんの考え方である。
僕は、正しいなぁと思う。
うつ子ちゃんは普段はとっても可愛い。
ひまわりの種が欲しくて、
無邪気にケージの出口にやってきて
もぐもぐと頬張るハムスターのように
純粋だ。
死にたい、なんてことも絶対言わない。
死にたくないみたいだ。
死にたい、なんて絶対言ってあげないんだから。
うつ子ちゃんはそう言っていた。
僕はその意味がわからないでいた。
乙女心は難しい。
そして、小説ができないんだって。
そんなこと、しなくていいのに。
だって、僕はそんなこと望んでない。
うつ子ちゃんの小説は読まされるけど、
意味がわからない。
正直、迷惑だ。
でも。
がんばれうつ子ちゃん。
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