第2話

 うつ子ちゃんは、小説が書けない。

 でも、小説は書きたくないわけではなくて、書きたいけど、何を書いていいかわからないようだ。


 いっぱい寝て、元気もそこそこ出てきたみたいだし、上司はいないし、通勤もないし、「自由」だ。

 だから、書きたいことが見つからなくなってしまったのかもしれない。


 うつ子ちゃんというべきか、双極性のうつ子ちゃんというべきか。

 そこはお医者さんに任せときましょう。


 インプットが足りないから、アウトプットができないのだ。

 だから、一旦書くのはやめにして、本を読むことに専念して、あとは寝よう。ぐーぐー。

 

 大谷選手が言っていた。

 睡眠は質より量を重視する、と。

 なーに、大谷選手と自分重ね合わせとんねん、て話だが、同じ人間だもの。

 夜、あまり眠りが深くなくて、朝眠い。

 じゃあ、朝寝ちゃおうじゃん!わーい!


 うつ子ちゃんは、単純で、周りに影響されやすい。

 今は素直な文章を書こう。

 それしかできないみたいだ。

 本を読んで、読んで、眠くなろう。


 大丈夫。書きたい気持ちがあるなら、それも一種の病。明るい病。誇れる病。


 がんばれ。うつ子ちゃん。

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