第1話
え? 今、嫌いって言われた?
困惑しながら玲央の方を見たら、外の景色を見ていた。
「あ! 優〜! 次移動だよ? 早く行こ!」
声のする方を見たら、友達の愛梨がいた。
最初に話しかけてくれて、今では一番の友達。
確かに次の時間は音楽で移動だった。
「う、うん! いこっか!」
振り返って玲央の方を見たけれど、まだ外の景色を見ていた。
「どうしたの? 何かあった?」
「あ、ううん。なんでもない。早く行こ!」
「あ、ちょっと待ってよ〜!」
早くこの場から離れたくて、急いで教室を出た。
「ねえ、待ってってば〜!」
「あ、ごめんごめん」
「本当に何もなかったの?」
「う、うん! 本当に大丈夫だから! 行こう!」
「そっか! わかった!」
あの玲央っていう人に嫌いだって言われた……
なんで急に……
話したこともなかったのに……
「これで授業を終わりにします。じゃあ学級会長さんお願いします」
「あ、はい。起立、気をつけ、令。ありがとうございました」
もう授業終わったんだ。
全然集中できなかったな……
「優! 一緒に行こう!」
「あ、うん!」
「今日さ、文化祭のことについて決めるんでしょ?
うちらのクラスはどうなるんだろうねー」
「あ、そっか。文化祭決めか」
「あれ? 忘れてたの〜? 忘れっぽいんだから〜」
すっかり忘れていた。今日は文化祭決めだった。
で、学級会長が仕切らないといけない……
嫌だな……
あ〜
なんで学級会長になっちゃったんだろ……
断ればよかったな。
最悪だ……
先生にみんなの前でお願いされて、断れなくて学級会長になったなんて
本当に最悪すぎる……
そんなことを考えていたら愛梨が話しかけてきた。
「優は文化祭でどういうのやりたいの?」
文化祭とかはあまり興味がないし、
やる気が出ないからあまりどういうのやりたいとかは特にない。
「あ〜、特にないかもな〜。愛梨は?」
「私はね〜、メイド喫茶!」
「男子たちどうするの?」
「男子たちもメイドになってもらう?」
「絶対嫌がるやつじゃん」
「確かに〜」
そんなことを話してると、
「うるさい、どいてくんね?」
声のした方を見ると、そこにいたのは玲央と玲央と仲良い男子たちだった。
「あ、ごめんね」
そう言って私たちはどいた。
その時、玲央と仲良い男子の1人が
「ごめんね」
と言ってくれた。
多分楽しく話してくれている所を邪魔してごめんね
って意味だと思う。
優しい人だなと思いながら、2人でクラスへ戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます