第28話

「いえ知りません。…なんだかこの名前、ホストっぽいですね。」  


「だあよねえ!なんかバンってよりも、ヴァンって感じじゃない?!」



その通りなので、吹き出しそうなのを咳払いで誤魔化した。ナwミwクwラwヴァwンw   



「どっちも試験満点だし、成世ちゃんとはライバルになりそうだよねえ。」    

  

「さあ、どうでしょう?試験の成績が営業成績に比例するとは限りません。」


「あっれー早くもライバル意識?!それよりももっと女子力高めていきなよお。」 


「…その女子力って、人生を100だとしたらどれくらい必要なものなんですか?」


「んー。55!やっぱ56!」  



マリア先輩。女子力なんて高めなくてもキャバクラでNo.1になれるんですよ。



経済と政治の話題にもついていけるスキルと相槌のタイミング、プライドもそこそこの、隙があるようでない女を演じるのは、勉強すればなんとでもなるもんなんです。学力57、生活力40、女子力3の女は語る。



ただし、恋愛はどうにもならない。



恋愛に溺れてしまえば、一気に地位と名誉を失うのだから。科学の力でも証明できない恋愛というヤツは実にリスキーだ。



私の姉がそれを教えてくれた。私がついこの間まで処女だったのも、姉の反面教師のせいでもあるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る