第16話

あれから半年が経った。

背中の羽が疼くときもあったけど、それ以外はなんにも変わらない毎日だった。

朝倉さんと出会うことはなかった。

会いたいと思うけれど、合わせる顔もないからほっとしていた。

でも、たまに夢に見ることがあった。

私たちに似た2人の夢。

前までは幸せそうな2人の姿しか見なかった。

だけど最近は必ず、朝倉さんに似た人が私に似た悪魔の前から消えてなくなる。

その度に俺は、涙を流した。

どうしようもなく苦しくもなった。

会いたいよ、朝倉さん。会ってデートの続きがしたい。

でも夢の2人のような結末しか来ないんじゃないかと思って勇気も出ない。

私の方から突き放したのに、ずっと考え続けている。

ほんと私って


だめなひと。

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