第6話

そう言うとお母さんは口を閉ざした。

言っていることの意味がわからない。

私が悪魔と人間のハーフ?

悪魔が存在して、その血が私に流れてる。

明日になると羽が生えるかもしれない。

何が何だかわからない。

嘘であってほしかった。

でもお母さんの表情からはそうじゃないことは誰だってわかる。



「ごめんね杜環。」

「そんなこと、急に言われても。」

「そうだよね、わかってる。ほんとにごめん。」

「いや、謝られたって。」

「うん、ごめん。まだ、続きがあって。」

「なに?」


もうこれ以上聞きたくはなかった。

ここで逃げ出しておけばよかった。

私はこの後心底後悔した。


「お母さんね、あなたのお母さんじゃないの。私は、あなたのお母さんの妹なの。」



理解ができなかったし、したくもなかった。

ずっとずっと、母だと思っていた人が、お母さんじゃない。

そして私は、悪魔と人間のハーフ。

悪い夢なら覚めてほしい。


「あなたのお母さんから、手紙を預かってるの。読んでみてほしい。」

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